あなたはゴミを売れますか?
w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。
「ゴミが人気商品として売れている」という話を聞いたら、みなさんはどう感じるでしょうか?
「ゴミなんて売れるわけがない!」
「ゴミを買う人の気持ちがわからない!」
「ゴミを売るなんてとんでもない!」
こんなふうに感じるのではないでしょうか。
ところが、そのゴミが売れているのです。
ニューヨークのアーティスト、Justin Gianic氏は「NYC Garbage」(ニューヨーク市のゴミ)というプロジェクトを2001年から続けています。ニューヨークのゴミをかっこいいデザインのパッケージに仕立てて売る、というものです。すでに1,000個以上の販売実績があり、現在入荷待ちの状態だそうです。
(参考:「順番待ち!なぜニューヨークのゴミが売れるのか?」)
UNICEFは2010年、マンハッタンのユニオンスクエア中央にひときわ目をひく自販機を設置しました。「病原菌入りの汚水」というキャッチで泥水を封入したペットボトルを1本1ドルで販売したのです。
(参考:「ニューヨーカーもビックリ!8種類の汚水が選べる自動販売機が登場」)
ゴミに汚水・・・そのようなものが売られ、売れていくことに抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。
その抵抗の背景には「良いものはかならず売れる」という想いがあり、それに対応する形で「悪いものは売れない」という想いがあるように、私は感じます。
ものづくりで戦後の驚異的な復興を成し遂げた日本では「良いものを作ってさえいればかならず売れる」という想いが根強くあるようです。車にせよ、テレビにせよ、パソコンにせよ、かつてのようには売れなくなって国内企業が苦しんでいます。1980年代にはアメリカでジャパン・バッシングが起こるほどに売れていたのに。
一方、パソコン業界では海外勢が勢いを増しています。DELL、ヒューレットパッカードといったアメリカ勢の他、Lenovo(レノボ)やacer(エイサー)といったアジア勢が勢力を伸ばしているようです。
(参考:「世界PC市場シェア、ガートナー調査でレノボがHPから首位を奪取」)
中国製のパソコンは故障が多い、などと揶揄されます。それでも売れている、というのはどういうことでしょう?「良いものは売れる」「悪いものは売れない」に反していないでしょうか?
どうやら
- 良いものが必ずしも売れるわけではない
- 悪いものが必ずしも売れないわけでもない
ようです。
このことを次の機会にもう少し掘り下げて考えてみましょう。