w'ANDのつれづれノート

w'AND illustration代表の佐藤祐輔が考える絵のこと、仕事のこと、社会のこと・・・そんなことを日々つづっていきます。

【絵のこと】循環システムとしての植物

w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。

私は「循環」の考え方をとても重視しています。
とくに植物はその「循環」の象徴であると考えています。

 

先日、ツーバイフォー建材を組み上げて壁を本棚にしました。
“憧れの壁面本棚を2x4木材15本で手作りしました”
これまで使っていた本棚よりもおおく入るため、すこし余裕ができています。
あまった空間は飾り棚として活用。日陰にも強い観葉植物を置きました。
植物のある空間はとても良いものです。

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パキラです。すくすくと育ってほしいものです。

 

私は植物をよく絵のモチーフに使います。

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こちらは7年前の2006年に制作した"Water Cycle"という絵です。
2004年から2006年にかけて、りそな総合研究所が会員向けに発行している「りそなーれ」という雑誌の表紙を担当していました。"Water Cycle"は2006年7月号の表紙です。

 

植物は物質の循環の要だと、私は考えています。
その考えを持ち始めたのは、仙台で一人暮らしを始めた頃でした。

 

当時、私は東北大学の化学系研究室に研究員として勤めていました。
それほど給料がよくなかったので実家暮らしだったのですが、勤めはじめて2年、研究室への貢献が認められて給料が上がりました。一人暮らしが十分可能な額でしたし、通勤時間をなるべく短縮したかったのもあり、職場の近くのマンションに引っ越すことにしました。
東北大学青葉山の中に広大な敷地をもっています。教養部と文系学部は山のふもとに、理系学部は山の奥まったところにそれぞれキャンパスがあります。職場の近くに住もうと思うと、どうしても山のそばになります。
私が選んだのは片平という、仙台の中心街からすこし離れたところでした。すぐ近くが広瀬川で、ベランダからは青葉山が見渡せます。視力の良い人なら仙台城趾にある伊達政宗像を見つけることもできました。

 

MountainsMountains / Moyan_Brenn

 

春が近づき、だんだん暖かくなってくるころ。
朝方、向こうに見える山並みからもうもうと蒸気が立ち上るのをみることができました。山の樹が活発に活動をし始めて、吸い上げた地中の水分を大気中に放出しているのです。
その様はまるで、森から雲が生まれていくようでした。

 

「蒸散」と呼ばれる現象です。
植物は地中から水分を吸い上げます。下から上へ、重力に逆らうのですから、吸い上げるためにはエネルギーが必要です。植物は葉から水分を蒸発させることで上部の水分量を低下させ、その濃度差を利用して上に水分を送り届けます。

この「蒸散」の現象が、私には「植物を介した自然の水循環システム」のようにみえました。
地中に蓄えられた水分を植物が吸い上げます。植物が吸い上げた水分は葉から蒸発していきます。蒸発した水分は空に達して雲になり、その雲はやがて雨を降らせて地上をうるおします。それをふたたび植物が吸い上げて・・・
このような水の循環が成立するのです。

 

私はこの「循環」という考え方が気に入りました。
以降、「循環」の視点から物事を見るようになっています。
水分だけでなく、物質やエネルギー。人の動きや経済も循環として捕えることができると考えています。
植物は私が物事を考えるためのテーマのひとつでもあるのです。

 

“次世代に手渡すのは「生きる術」”に書いたことは、まさに世代間の循環のようなものです。

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