料理で鍛えられる4つのビジネススキル+α
w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。
今回は「料理はビジネススキルを磨くのに最適である」ということをお話ししましょう。
料理をしていると、五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を全部使います。
舌で味を確認するのはもちろん、目で材料の良し悪しや火の通り具合を判断し、耳で煮え具合や焼ける過程を確認し、手で固さを確認し、鼻で臭いを確認します。
このように、料理をしていると五感をフル稼働させるため、効率よくすべての感覚を磨くことができます。
"五感を研ぎ澄ましてビジネスに取り組むべき理由"でも書いたように、五感はビジネスの上でも重要な役割を果たします。
最近、それ以外にも料理をすることで鍛えられる様々なビジネススキルがあることに気づきました。
それが次の4つのスキルです。
1.予算立案・折衝スキル
一般家庭では日々のご飯に潤沢にお金をかけることはできません。
そのため、限られた予算の範囲内で日々のご飯を設計する必要があります。
まず、何人分の食事を作らなければならないのか、から考える必要があります。
飢えてしまってはいけませんから、飢えないだけの量の食事を確保する必要があるでしょう。
しかし、あなたが得られる資金には限りがあります。それにはあらかじめ他の使途もあるでしょうから、食事にかけられる予算は決して潤沢ではないでしょう。ですから、限られた予算の範囲内で飢えないだけの食事をいかに確保できるか、を設計する必要がでてくるのです。
たとえば家族が増えるなどの事態が発生したとき、これまでと同じ予算では足りなくなるかもしれません。そうしたとき、予算を増やすために折衝しなければならないこともありうるでしょう。あなたは自らの思いをプレゼンテーションし、予算を獲得しなければなりません。
これらのスキルはビジネスにおいて予算を立案し、ときに予算確保の折衝するのにきっと役立つでしょう。
2.サプライチェーンマネジメントスキル
東日本大震災で交通網が寸断され、物資はあるのに必要なところに届かない、という事態が発生しました。
2011年10月にタイで発生した大洪水では、多くの企業の工場が浸水し、製品製造が続けられなくなる、という事態が発生しました。
いずれも、サプラーチェーンが寸断されてしまったがために、大きな打撃を与えた例です。
日々の料理でも同じです。
近所のスーパーがある日突然倒産する、という事態はいつでも起こりえます。
これまで安く買えていた商品が何らかの影響で突然高騰してしまう、ということもあり得るでしょう。あるいは地震のような大災害で物資そのものが枯渇する、というリスクだって考えられます。
そうした事態にあっても、我々には日々のご飯が必要です。
スーパーの倒産リスクに備えて2番手に使えるスーパーを発掘しておく必要があるでしょう。
高騰した商品の代替になるような商品を見つけておく必要もあるでしょう。
物資が枯渇したとしたら、自分で物資を何らかの方法で調達してこなければなりません。
このように、日々のご飯を安定供給するためには、サプライチェーンマネジメントが適切になされている必要があるのです。
このスキルを活かすことで、あなたの会社のサプライチェーンを最適化し、かつ不測の事態にも備えられるようなグランドデザインが描けるようになるでしょう。
3.マーケティングスキル
ビジネスの世界でマーケティングは非常に重要です。
日々のご飯を作るにあたっても、マーケティングは必須です。
お子さんやパートナーの好き嫌いをきちんと把握していますか?
最近の体調でどんな料理が喜ばれるかリサーチできていますか?
世間の料理トレンド(=旬)には敏感になっていますか?
あなたはあなたの料理をお子さんやパートナーが欲する形で提供できていますか?
人が嫌がる料理を提供していませんか?
自分の満足のためだけに無駄に予算をかけていませんか?
適切な色合いが使われ、見た目に食べたいと思える盛りつけになっていますか?
より多く食べてもらうためには、こうしたリサーチが必須なはずです。
こうした発想は極めてマーケティング的です。
これらの感覚が磨かれれば、あなたのマーケティングスキルは格段に向上し、これまでなかなか売れなかった商品もあなたの手でヒット商品に変えていくことができるでしょう。
4.タイムマネジメントスキル
料理をつくるとき、タイムマネジメントが重要になってきます。
たとえばお子さんにできたてのご飯を食べさせたいとき。
何時にお子さんに食べさせたいですか?
そのためには、何時から作り始めるのが適切ですか?
すべての料理ができたての状態で提供できるためには、どの順番で作ったら良いでしょう?
これらをうまくこなすためには、最適化された段取りを組む必要があります。
手がはやくないならはやくないなりに、「どの作業にどれだけ時間がかかるのか」がざっくりとでも把握できていれば、おなかをすかせたお子さんをいつまでも待たせることもなくなるでしょう。
逆に、旦那さんにわざと冷たいご飯を食べさせるには何時までに冷たくなるか、を逆算すれば良いのです。
これが適切にできるようになれば、ビジネスの現場でもあなたのタイムマネジメントスキルはきっと上司に評価されるはずです。
これらのスキルはあくまで一般家庭を想定しています。状況により、他のスキルも鍛えられるはずです。
たとえば・・・
- 一人暮らしの方でしたら、好きな物だけに偏らないようにするためにセルフマネジメントスキルが鍛えられるでしょう。
- お子さんがお手伝いしてくれるようなお年頃でしたら、部下を使うスキルが鍛えられるかもしれません。
- もしあなたが謎の創作料理を作るのがお好きでしたら、それを躊躇なく試食してもらうためにプレゼンテーションスキルが磨かれていくに違いありません。
さぁ、今日からいっしょうけんめい料理をして、第一線で活躍できるビジネスパーソンを目指しましょう。
関連記事:
五感を研ぎ澄ましてビジネスに取り組むべき理由(2013年3月16日)
スヌーズレンとアートが拓く可能性(2013年3月14日)