w'ANDのつれづれノート

w'AND illustration代表の佐藤祐輔が考える絵のこと、仕事のこと、社会のこと・・・そんなことを日々つづっていきます。

絵描きにもビジネス感覚が必要な理由

w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。

私は「絵を描くこと」をきちんとビジネスとして成立させたいと考えています。
絵描きとビジネスとは一般的にあまり結びつかないと考えられているのではないでしょうか。こんなふうに考える方もいらっしゃるかもしれません。

 

「絵描きがお金儲けなんか考えてはいけない、金儲け主義に走ってはいけない」

 

ここで言うビジネスとは「事業で収益を上げ、その収益で事業を継続させること」です。この「事業」と「絵を描く」こと。絵を描き続けられるようにすることです。
事業を続けていくにはお金が必要です。そのお金をいかに獲得するか、が事業を行う上で最大の問題になります。

 

「絵だけでは食っていけない」という友人が多数います。
彼ら彼女らは会社に就職したり、アルバイトをしたりして「絵を描く」という事業をなんとか継続させています。やがて会社やアルバイトの方が忙しくなり、お金は獲得できても絵が続けられない、という状況に陥ることもしばしばです。そうやって絵をあきらめた友人知人を多数知っています。

もし「絵を描き続けたい」と考えるのなら、それを継続させるのに必要な資金を得ていく必要があります。それにはビジネス感覚が必要なのです。

 

「絵では食っていけない」のには二つの理由があるように思います。
日本の文化的な問題と、絵描き自身の問題です。

 

日本の文化的な問題点

日本の文化的な側面がひとつ、絵描きが食べていけない理由として挙げられます。

 

Museum BrandhorstMuseum Brandhorst / digital cat 

 

「日本ではアートにお金を払う文化がない」とよく言われます。
欧米に比べればその傾向は確かに強いでしょう。そのために、日本では生活を成り立たせるだけのお金を得ることが難しい。その結果、文化として根付く前に文化を担う人間が育っていきません。負の連鎖が続いていくのです。

しかし、そうした環境的な問題だけではないように、私は思います。

 

絵描き自身の問題点

絵を描く側にも問題があると、私は考えています。

それは「売り方を知らない」ということです。

 

Business of Software - questions from audienceBusiness of Software - questions from audience / betsyweber

 

「売り方を知らない」のには二つの理由が考えられます。

  • 「良い絵を描いてさえいればいつか売れる」という思い込み
  • お金は汚い、お金儲けは悪いことだ、という思い込み

これらが売り方を考えることから目をそらせる一因になっているようです。
 この問題点については別の記事にしてありますので、ご覧になってください。

  1. あなたはゴミを売れますか?
  2. 「良いものはかならず売れる」のウソ
  3. 営業嫌いの背後にあるもの

私は「絵を描き続けたい」と願っています。
そのためにはお金が必要です。
ただ待っていてもお金は入ってきません。売り方を考える必要があるのです。
「売り方」とはつまりビジネス戦略のこと。
「何を」「誰に」「どこで」「どんなふうに」売るのか、を徹底的に考えることです。

 

ビジネスの観点をもって考えられる絵描きがひとりでも増えてほしい、と私は考えています。
少しでも自分の面倒を自分でみられるようになれれば、生活が苦しいために絵をやめてしまう、ということが少なくなるでしょう。その結果、絵描きがすこしずつ育っていきます。それは文化を育てることに等しい。

 

これが私の願いです。