w'ANDのつれづれノート

w'AND illustration代表の佐藤祐輔が考える絵のこと、仕事のこと、社会のこと・・・そんなことを日々つづっていきます。

次世代に手渡すのは「生きる術」

w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。

ちかごろよく、「自分の次の世代」のことを考えます。
いまはまだ、自分の仕事を軌道に乗せるのが最優先です。
けれど、まだ「その先」があります。
年齢を経ていくにつれ、ともに仕事をしていく相手はどんどん年下になっていくでしょう。
そうなったとき、自分はいったいどうするのか、を考えるのです。

 

Jack Whinery and his family, homesteaders, Pie Town, New Mexico  (LOC)Jack Whinery and his family, homesteaders, Pie Town, New Mexico (LOC) / The Library of Congress

 

パートナーのおじいさんの法事に参加してきました。
50回忌だそうです。亡くなったのが50歳と3ヶ月。生まれてから100年経った計算になります。今から100年前というと1913年、第一次世界大戦の前年にあたります。

100年という年月を長いと感じるか、短いと感じるかは人それぞれと思います。
私自身は「100年」と聞くととっさに「たった100年?」と感じます。
人生80年と言われる現在、2〜3世代が経過するくらいの時間です。100歳でご存命の方も多くいらっしゃるということもあり、それほど極端に長い時間とは感じません。

ところが、100年前に何があったか、と考えると、1913年、第一次世界大戦の前年です。
携帯電話もパソコンも存在せず、現代戦車の原型となるものがようやく出てきた時代です。世界大戦というとナチスドイツのイメージが強いかもしれませんが、アドルフ・ヒトラーはこの戦争では一人の兵士として従軍していました。100年前のカラー写真なんて見ることはできません。
そう思うと、100年という年月の長さを強く感じます。

 

Happy Children Playing KidsHappy Children Playing Kids / epSos.de

 

パートナーのいとこにはすでに結婚して子どもがいる人たちもいます。
法事の前後では元気に走り回ったりしていました。
この子たちは、私が2つの世界大戦を知らないように、ベルリンの壁崩壊も、ソ連崩壊も、湾岸戦争も、9.11の同時多発テロも知らない世代です。その次には東日本大震災を知らない世代がやってきます。

第二次世界大戦を生き抜いた祖父たちから多くのことを学んできたように、私たちも多くのことを次の世代に手渡していく必要がある、と考えています。


それは一言でいえば「生きる術」です。


「おばあちゃんの知恵」なんてよく言われます。日々の生活をもっと便利に、もっと豊かにするためのさまざまな知恵です。私からみた祖母はちょうど戦中戦後の世代ですから、モノがない時代を生き抜いた人でした。その状況でいかに生活していくか、というのはまさに生きることそのものです。

 

「生きる術」は時代によって異なります。
石器時代には食糧の確保が生死を分けました。戦争中では殺し合いの中で生き残ることが必要でした。
現代の日本ではどうでしょうか。


それが、私たちが次の世代に手渡していけるものだと、考えます。