w'ANDのつれづれノート

w'AND illustration代表の佐藤祐輔が考える絵のこと、仕事のこと、社会のこと・・・そんなことを日々つづっていきます。

夢を語る

w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。

 

私の理想は「絵を描くことがビジネスとしてきちんと成り立つこと」です。
絵がビジネスとしてきちんと成り立つようになれば、日本のアート文化が発展すると考えるからです。

 

dream, interrupteddream, interrupted / Robert Couse-Baker

 

友人の絵描きたちのなかには絵をうまく売ることができずにいるのが少なからずいます。
なかには資金繰りに苦しみ、絵を描くことをやめてしまった友人もいます。
たとえどんなに良い絵を描いていても、それがお金にならなければ生活に行き詰まり、絵をやめざるをえなくなってしまいます。
これは文化的な損失といわざるをえません。

 

「絵描きとしての成功」といわれたとき、どんな状態を思い浮かべるでしょうか。
一般的には、たくさんの賞を受賞し、有名になり、画集をたくさん出版し、お金をたくさん得る、というところだと思います。
もちろん、それを目指して日々がんばることはとても良いことだと思います。
が、本当に成功とはそれだけなのでしょうか。

 

私自身は、まず絵描きが自分の生活を自分で成り立たせることから始めるべきだと思っています。
自分の生活基盤が安定すれば、少なくとも絵は続けていくことができる。
生活ができなくなってやめてしまう、という損失は防ぐことができるのです。

 

2月後半から、なるべくたくさんの人に会ってお話しをするようにしています。
それも企業の経営者の方など、ビジネスの世界に身をおいていらっしゃる方々です。
そうした方々に、私の理想である「絵を描くことがビジネスとしてきちんと成り立つこと」をお話しさせていただいています。
“絵描きにもビジネス感覚が必要な理由”にも書いた通り、アートとビジネスはなかなか結びつけて考えられることがありません。
けれど、「収益をあげて自分の生活基盤を安定させる」という観点からすると、ビジネスという視点で絵描きの活動を見る必要がどうしてもあるのです。
ですから、ビジネスの現場にいる方々に、自分の思いを語る必要があるのです。
語らなければ、その思いはないも同然だからです。

 

仙台にいたころ、とあるギャラリーのオーナーさんにとてもお世話になりました。
その方の言葉がいまだに印象に残っています。

 

10の夢を語ってひとつでも実現すれば、そんなにいいことはないじゃないか。
だって、夢を語るのはタダだもの。

 

このオーナーさんも、「絵描きが自らの生活基盤を自分で安定させること」をとても重要視していました。
その思いが、w'ANDの事業を続けていくにあたって支えになっているようにも思います。