絵描きのためのビジネス戦略1〜経済的自立はなぜ必要か〜
w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。
これまで「なぜ絵描きにビジネス感覚が必要か?」という記事をいくつか描いてきました。
それらの記事は今思うと、「じゃあ具体的にどうしたらいいの?」という疑問には答えていませんでした。
そこで、これから何回かに分けて、絵描きとして自立していくための具体的なビジネス戦略を考えていきたいと思います。
そのため、まず前段として次の2点を確認しましょう。
- 絵描きにビジネスが必要な理由
- ビジネスとはなにか?
なお、これから数回に分けて書く「絵描きのためのビジネス戦略」は次のような絵描き、イラストレーター、アーティストの方を対象にしています。
- これから絵で食べていきたい、と考えている
- 今、絵で食べているが、思うように収益があがらず困っている
- 副業として絵を描いているが、もっと効率的に絵で収入を得たいと考えている
- 会社勤めをしているが、今後独立を考えている
逆に、次のような方には参考にはならないでしょう。
- すでに絵で十分な収入があり今後も十分な収入が見込める
- アートをビジネスとしてとらえており、十分学んできた
- 趣味で絵を描いており、絵で収入を得る必要はない
- アートはお金もうけの手段ではない、と考えている
- お金もうけは汚いことだと考えている
経済的自立は絵を描き続けるため
このブログのなかで「絵描きもビジネス感覚をもつべきである」という主張を繰り返してきました。
それは絵を描き続けるためです。
そのためには経済的自立が必須だと、私は考えます。
あなたは今、絵を描くことで生活が成り立っていますか?
アルバイトや会社勤めが必要だとしたら、生活が成り立っているとはいえません。
デザイン事務所や印刷会社でイラストレーションの制作をしている場合はどうでしょうか。
給与収入があるので生活が成り立っているといえます。
それは本当の意味での「経済的自立」でしょうか?
あなたが勤めている会社が倒産した場合、あなたは自分の力で、生活をするためのお金を得られますか?
もしそうでないなら、あなたは経済的に十分自立しているとはいえません。
「絵を描き続けたい」と思った場合、生活基盤を安定させることが必要になってきます。
生活とは衣食住を満たすことです。衣食住が満たされていない状態で絵を描き続けていくことは難しいでしょう。衣食住が満たされていない、ということは絵を描いても衣食住を満たすだけの収入が得られていない、ということだからです。
そのような状態に陥って、残念ながら絵をやめていった知人が何人もいます。
生活基盤を安定させるには少なくとも生活を成り立たせるだけの収入が必要です。
そのための金額は人によって異なるでしょう。
しかし、いずれにせよ、収入は必要です。
もしあなたが絵を生業としていきたいのなら、絵を収入の源にしなければなりません。
ですから、あなたはあなたの絵をビジネス的な観点で考え直す必要があるのです。
そもそも「ビジネス」とは?
「ビジネスをする」ということは「商品やサービスを提供してお金を受け取る」ことです。
絵で言えば「あなたの絵が売れるようにする」ことです。
あなたの絵は売れていますか?
もし売れていないとしたら、それはなぜでしょうか?
逆に売れているとしたら、それはなぜでしょうか?
きちんと考えたことがありますか?
最近では、それなりに実績のある画家さんでも個展で絵が売れない方が増えてきているそうです。
そういう方々の中にはこんなふうにぼやく方もいらっしゃるそうです。
「最近のひとたちは芸術を理解していない」
本当にそうでしょうか。
この言葉は音楽業界の方が「近頃CDが売れないのは音楽が理解されなくなってきたからだ」と言っているのと同じです。
商品が売れない責任を消費者に押しつけ、消費者が望んでいることを理解しようとしていないのです。
ビジネスは「なにを」「だれに」「どこで」「いつ」「なぜ」「どのように」売るかを考えることから始まります。
文章を作るときの5W1Hと同じですね。
ビジネス戦略の立て方は経営学の先生たちや経営の達人と言われる人たちがさまざまな本でさまざまなことを言っています。細かい部分では異なりますが、まずこの5W1Hが明確でないとそもそも何をしたら良いのか分かりません。
これから数回に分けて、「絵描きにとってのビジネス5W1H」を考えていきたいと思います。その過程で、今後どのように絵に向き合っていったら良いか、のヒントが見つかるかもしれません。
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ここで絵が売れないことの絵描き側の問題点を指摘しています。具体的な方法論についてはほとんど言及していないので、これから書く「絵描きのためのビジネス戦略」を参照ください。
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