w'ANDのつれづれノート

w'AND illustration代表の佐藤祐輔が考える絵のこと、仕事のこと、社会のこと・・・そんなことを日々つづっていきます。

ブレーキは安心してアクセルを踏み込むためにある

w'AND illustration代表の佐藤祐輔です。

 

先日、ファーストヴィレッジ株式会社さんが主催する経営者向けセミナーに参加してきました。ファーストヴィレッジさんの社長である市村洋文さんを含め、4社の代表の方が講演をされました。

市村社長は学生時代、学生向けスキーツアーを企画、4年間で60億の売上げをあげる、という学生起業家のはしりでした。大学卒業後は野村証券で預かり資産を20億から2000億まで増やすなど、敏腕を振るわれました。その手腕を見込まれ、厳しい経営状態が続いていたKOBE証券にスカウトされ、数年で上場を果たします。その後、KOBE証券を退職され、2007年にファーストヴィレッジを設立されました。

市村社長の講演の中でとても印象的な言葉があったのでご紹介します。

 

ブレーキは止まるためにあるのではない。「いつでも止まれる」という安心感をもってアクセルを思い切り踏み込むためにあるのだ。

 

IMGP1354IMGP1354 / takot

 

これは、“企業はコンプライアンス(法令遵守)を徹底すべきである”という話の中で語られた言葉でした。

民間企業はその理念がどうあれ、利益をあげなければ存続できません。
ですから、利益をあげるためにそれこそ「アクセル全開で」事業を推進していきたいところでしょう。
だからといって、利益のためにはなにをしてもいいか、というとそうではありません。
その歯止めとなるのが法律です。
企業として、あるいは人としてやってはいけない最低限のラインがある。
それを、コンプライアンスという形で守るのです。
逆にいえば、その歯止めがあるからこそ、アクセルをどこまで踏み込んで良いかも分かるのです。

 

ただ、残念ながらその歯止めがきかなかった例も多々あります。
たとえば2011年に発覚したオリンパスの不正会計事件、2012年に特別背任罪が確定した大王製紙の前会長の職権乱用事件などです。

 

たしかにブレーキがあればいつでもとまれる、と思えるでしょう。
けれども、そのブレーキがきかなかったり、あえてブレーキの存在を無視してしまったり、そうなってしまったら、オリンパス大王製紙のような事件に発展してしまうのです。
だからこそ、コンプライアンスは大事にしなければなりません。

 

コンプライアンスもそうですが、仕事の仕方、とくに体調管理の面でもブレーキをきかせたいところです。

 

OverworkOverwork / Sandy Pirouzi

 

20代前半のころは深夜まで仕事をしていても、翌日早朝に出勤するくらいは平気でした。
けれど、身体はどうやっても年齢と共に衰えてきます。
かつて平気でできた徹夜仕事もできなくなってきています。
無理をすることは可能ですが、無理が続けば将来的に支障をきたすことになるでしょう。
長く仕事を続けたい、と思ったら極端な無理はしないようにする必要があります。
そういう意味でも、体調管理のために自分にブレーキをかける必要があるのです。
これは「ながく安心してアクセルを踏み続けるためのブレーキ」ですね。

 

ブレーキは止まるためにあるのではない。「いつでも止まれる」という安心感をもってアクセルを思い切り踏み込むためにあるのだ。

この言葉、角度を変えて捉え直すといろいろな発見があるかもしれません。